人と自然が育てる宝石、“アコヤ真珠”ができるまで

人と自然が育てる宝石、“アコヤ真珠”ができるまで

アコヤ真珠ができるには、稚貝を育て、核入れをして珠出しするまでに平均で3年の月日を費やします。アコヤ真珠は、豊かな自然環境と匠の技が合わさることで初めて完成する、自然の宝石です。立神養殖場では真珠の養殖とは、物を作る作業ではなく、生き物を育てることだと考え、真心を込めて真珠を作っています。

1年目:5月~6月頃 稚貝(採苗貝)の養成

人工的に交配したアコヤ貝の赤ちゃん(稚貝)を大きく育てて真珠養殖に用います。核入れ作業をするまでに、約2年3ヶ月ほど育てていきます。

1年目:7月~8月頃 カゴの入れ替え

稚貝の成長に応じて、潮通しのよいカゴへ、網目の大きさを変えながら何度もカゴを入れ替えます。

1年目:8月~12月頃 管理作業・カキ・フジツボ等の除去

アコヤ貝の表面に付着したフジツボやカサネカンザシなどをナタやハンドクリーナー(電動のブラシ)を使って、綺麗にしていきます。何万個という貝を手作業で掃除していきます。

1年目:12月~4月頃 越冬漁場への移動

アコヤ貝は、海水の温度変化に敏感なため、夏は30℃を超えず、冬は10℃以下にならないことが理想だといわれています。そのため、冬になると英虞湾口以南の水温が暖かい海域に移動させます。

2年目:5月~3年目:5月頃

2年目から3年目の5月頃までは、アコヤ貝の成長に合わせて、随時、貝掃除やカゴの入れ替えを行うなど、大切に貝を育てていきます。

3年目:5月頃 抑制貝調整(核入れ施術準備)

核入れを控えたアコヤ貝を、貝の体調をコントロールする抑制カゴに入れます。核入れとは、アコヤ貝の身体の中に異物を入れることです。貝の体調が元気すぎると、核を入れた際に、口から吐き出してしまったり、驚いて死んでしまったりします。貝がなるべく拒否反応を起こさないように、貝を落ち着かせていきます。

3年目:5月~7月頃 核入れ(挿核作業)

いよいよ、核入れ作業です。アコヤ貝の口を開き、ピースと呼ばれるアコヤ貝の細胞の一部を核につけ挿入していきます。核とは、真珠の元となるもので、立神ではアメリカのミシシッピ―川で採れる淡水二枚貝の貝殻を小さく刻み、丸く形成したものを使用しています。核入れ作業はなるべく貝にストレスを与えないことが重要で、熟練の技が必要です。

3年目:8月~10月頃 基地イカダへの吊るし作業・沖出し

核入れ作業を終えたアコヤ貝は、海に戻されます。貝の体力を回復させるため、波の静かな湾内の基地イカダに吊って、しばらく養生します。その後、網カゴに入れて沖のイカダにつるして育てていきます。掃除をするなど、貝にとって健康な状態を保つよう努力します。貝への付着物が多くなると貝の口が開きにくくなり、エサであるプランクトンを食べられなくなってしまうため、貝掃除はこまめに行います。

3年目:11月~12月頃 採集作業・選別作業

真珠の採集作業の始まりです。およそ3年半、手塩にかけて育てたアコヤ貝が、どんな真珠を作ってくれたのか、緊張の瞬間です。真珠を傷つけないように、丁寧に一つずつ手作業で取り出していきます。同じ地域、同じ時期に育てた貝でも、取り出される真珠は大きさ、色、形、共にさまざまです。


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