立神パールについて

真珠養殖発祥の地、立神

真珠は「最古の宝石」といわれ、古来より世界中の女性の心を魅了し続けてきました。日本は古代から真珠の産地として有名であり、「魏志倭人伝」にも卑弥呼の後継者が中国に献上したことが記されています。天然の真珠は1万個のアコヤ貝から1つから3つしか採れない、とても貴重なものでした。

その、天然では産出が稀であった真珠を、世界で初めて養殖することに成功したのが、他でもない三重県志摩市でした。1893年(明治26年)に現在のミキモト真珠の創業者である、御木本幸吉が、当時乱獲され、減少の一途を辿っていたアコヤ貝を保護、増殖することを目的に、アコヤ貝を用いた真珠養殖を決意。その後、10年以上もの歳月をかけて見事、アコヤ貝の真円真珠の養殖に成功しました。御木本幸吉がはじめて真珠養殖を試みた地が、鳥羽にある相島と、英虞湾でした。それ以降、英虞湾では真珠養殖が盛んに行われるようになりました。

立神(たてがみ)は、養殖真珠発祥の地である三重県志摩市の奥地、英虞湾(あごわん)のほとりに位置しています。英虞湾はリアス式海岸として有名であり、その入り組んだ湾が、太平洋の荒波を防波堤の役割を果たし、湾内の波は穏やかで年中温暖です。また、なだらかな丘陵地帯が広がる志摩半島を流れる桧山路川や迫子川などが、熊野三山で育くまれた養分を、静かに湾内に届けてくれます。植物プランクトンを採食して育つアコヤ貝は、この豊かな自然に育まれ、良質な真珠を生み出すのです。

アコヤ貝は、真珠層を形成する結晶が、規則正しく並び、色同士が干渉を起こすことで、ピンクがかった幻想的な虹色の輝きを放つため、別名「真珠貝」と呼ばれる程、真珠養殖に適した貝として知られています。実は、貝殻を持っている貝であれば全て真珠を作ることができます。ですが、貝の内側に美しい真珠層を持つ貝でなければ、美しい輝きを持つ真珠を作り出すことはできません。

現在、世界では様々な母貝での真珠養殖が行われていますが、その中でも、きめ細かい真珠層を持つアコヤ真珠は、他の真珠には見られない透明感、上品かつ優しい輝きから、世界随一の真珠といわれています。


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